電気工事士から施工管理へ転職|職人が現場代理人になって変わったこと【体験談】

現場のこと

この記事では、電気工事士(職人)から施工管理(現場代理人)へ転職して、仕事の中身がどう変わったかを、実体験をもとに書いていきます。

電気工事士として現場に出ていた自分が、現場代理人になったのは、職人を5年ほどやった頃でした。

会社からの打診でした。正直に言うと、職人の仕事も楽しかったんです。それでも代理人の道を選んだのは、工事の上流工程を、もっと知りたかったから。自分が施工している部分は、もっと大きな工事のどこに位置しているのか。それを知りたかった。

不安がなかったと言えば嘘になります。でも、会社に代理人の先輩がいたので、そこは安心でした。何かあれば聞ける人がいる。それは大きかったです。

今日は、その「職人から施工管理へ」という移行で、実際に何がどう変わったのかを、正直に書いてみます。今まさに、同じ道で迷っている人の参考になればと思います。

職人時代は「渡された図面を、その通りに施工する」だった

まず、職人時代の仕事から。

やっていたことは、シンプルです。先輩や職長から、自分の担当する工事範囲の図面を渡される。そして、その図面の通りに施工する。もちろん、現場作業です。手を動かして、自分の担当分を仕上げていく。

自分の受け持った範囲に集中する。それが職人の仕事でした。悪く言えば視野は狭いですが、良く言えば、自分の技術を突き詰められる仕事です。

施工管理になったら、やることが一気に増えた

代理人になって、これが一変しました。

やるようになったことを挙げると、こうなります。

  • 工程管理
  • 他業者との打ち合わせ
  • 職人たちの作業進捗の管理
  • 施工図の作成
  • 提出書類の作成
  • 工程写真、施工前後の写真、完成写真の撮影と整理
  • 職人が使う材料の発注
  • 材料の拾い(必要な材料の数量を図面から計算すること)
  • 安全管理

職人時代が「渡された範囲を施工する」という一点だったのに対して、代理人は現場全体を回す仕事になりました。自分で手を動かすより、現場が動くように段取りする。役割が根本から変わったんです。

これから施工管理を目指す人は、このリストを見て「そんなに?」と思うかもしれません。でも、これが現実です。先に知っておいて損はないと思います。

大変だったのは、書類の「意味」が分からないことだった

正直に、大変だったことも書きます。

一番苦戦したのは、書類でした。

代理人になると、作る書類がとにかく多い。でも、最初はその書類が何のために必要なのか、意味が分からなかったんです。何の書類を、いつ、なぜ作るのか。それを一から覚えるのが、本当に大変でした。

作業そのものより、「この書類は何のためにあるのか」を理解するのに時間がかかりました。ここは、施工管理を目指す人が一番身構える部分だと思います。でも、逆に言えば、覚えてしまえば済む話でもあります。

予算の計算も大変でした。ここは苦手意識があったので、その分、スケジュールと作業員の手配には人一倍配慮しました。苦手な部分を、得意な段取りでカバーする。そういう感覚です。

一方で、職人さんや他業者とのコミュニケーションは、そこまで苦労しませんでした。もともとコミュニケーションには自信があったので、そこで乗り切れた部分は大きいです。

良かったことも、はっきりあった

大変なことばかり書きましたが、良かったことも、同じくらいはっきりありました。

まず、会社での立ち位置と信頼度が、急激に上がりました。そして給与も上がりました。これは現実的な話として、大きいです。

もう一つ、意外と大事なのが体力の話です。

職人は、基本的に現場に出ずっぱりです。でも代理人は、事務所での仕事も多い。体を酷使しなくていい時間がある。これは、年齢を重ねていく上で、想像以上に大きなメリットだと感じました。一生、現場で体を使い続けるのか——その不安への、一つの答えになります。

そして、自分が現場を動かす立場になるので、多少の融通がきくようになります。指示される側から、動かす側へ。この裁量は、職人時代には味わえなかったものでした。

もちろん、最初に望んでいた「上流工程を知りたい」も叶いました。工事の全体が見えたときの楽しさは、代理人ならではだと思います。

施工管理に、進むべきか

もし今、職人として働いていて、施工管理に進むか迷っている人がいたら。

私は、ぜひ進むべきだと思います。

理由の一つは、さっき書いた「工事の全体が見える楽しさ」。これは経験する価値があります。

そしてもう一つ、あまり語られない理由があります。一度でも代理人を経験すると、たとえその後「やっぱり職人がいい」と現場に戻ったとしても、電気工事士としての価値が上がるんです。

代理人の立場を知っていると、「代理人が何を考えているか」「なぜこの指示が来るのか」が分かる。だから、職人に戻っても、現場で重宝される人材になれる。施工管理への挑戦は、仮に合わなくても、決して無駄にならない。ここは、両方経験した自分だから言えることです。

ただし、向いていない人もいる

正直に、向き不向きの話もしておきます。

私が思うに、完璧主義な人は、施工管理には向いていないかもしれません。

意外に思うかもしれません。でも、現場は思い通りにいかないことの連続です。最初から完璧を追い求めると、予定が崩れたときに、立て直せなくなる。

施工管理に向いているのは、むしろこういう人です。職人とよく会話して、ある程度は職人に責任を委ねられる人。抱え込みすぎない人。常に手持ちのボールを、投げ続けていける人。

全部を自分で抱えるのではなく、うまく人に任せて、現場を回していく。それができる人が、施工管理では強いと思います。

一人で飛び込まなくていい

最後に、一つだけ。

私が代理人になれたのは、会社に先輩がいたからという面が大きいです。何かあれば聞ける人がいる。分からない書類のことも、現場の判断も、相談できる相手がいた。あの安心感がなければ、もっと苦労していたと思います。

だから、これから職人から施工管理を目指す人にも言いたいんです。一人で飛び込む必要はありません。

もし今の会社に、施工管理へのルートや、支えてくれる先輩がいるなら、それが一番です。でも、そういう環境がない場合もあると思います。今の職場では施工管理に進めない、相談できる人もいない——そういう人には、職人から施工管理への転職を専門に支援してくれるサービスもあります。

私にとっての「先輩」の役割を、そういうサービスが果たしてくれる。一人で悩んで動けないより、支えを借りて次の一歩を踏み出すほうが、ずっといいと思います。

さいごに

職人から施工管理へ。この移行は、確かに大変なことも多いです。書類の山も、予算の計算も、責任の重さも。

でも、得られるものも大きい。全体が見える楽しさ、体力的な余裕、裁量、そして給与。そして何より、一度経験すれば、その後どの道に進んでも活きる。

職人としての5年間があったからこそ、代理人としての自分がありました。そして代理人を経験したことが、今の自分の土台になっています。

もし迷っているなら、私は背中を押したい。工事の全体が見える世界は、一度は見てみる価値がありますから。

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 1級電気施工管理技士を取ったときの話は、こちらの記事に書いています。


※この記事は、私自身が電気工事士から現場代理人へ移った経験をもとに書いています。会社や現場の事情は人それぞれなので、一つの体験談として読んでいただければと思います。

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